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2020-10-05

認知症について〜看護師髙原〜上野毛暮らしの保健室

等々力にあるふくろうクリニックさんが開催しています。暮らしの保健室で、登壇の機会をいただき発表させていただきました。

今日のテーマは「認知症」ということで、まずは「認知症」という言葉、聞いたことないな~って方いらっしゃいますか?

テレビでもよく取り上げられていて、誰でも聞いた事のある「認知症」ですが、自分がならないかなって心配されている方も多いと思います。皆さまが心配されている「認知症について」と「予防のお話し」、最後にちょっとした「予防運動」を行っていきたいと思います。

まず、認知症を発症する平均年齢は41歳〜61歳と言われています。現在。65歳以上の方では7人に1人が発症していると言われてます。少子高齢化が進んでいるため2025年(5年後)には、なんと5人に1人と推測されているんですね。

こう聞くと、本当に誰が発症してもおかしくないなと感じてしまいますし、危機感もありますよね?

では、認知症の発症する仕組みについて少しお伝えします。

脳には神経細胞といって情報伝達と処理をしている細胞があります。

その細胞が、いつも、私たちが何かを感じたり、手足を動かしたり、あるいは何かを考えたり、行動を自動的、あるいは意図的に制御したりするときに、働いてくれるんです。

その神経細胞に異常なたんぱく質が溜まってしまいます。「ゴミタンパク」とも言われています。

この異常なたんぱく質が溜まってしまう理由は完全には分からないのですが、加齢などにより分解や排出がうまくいかなくなると溜まり始めるのではと言われています。

その結果、神経細胞が影響がでて、上手く情報伝達や処理が遅くなっていきます。ずっと溜まっているので壊されます。

そうすると脳が縮んでしまって、ついに発症するという流れになっています。

このゴミタンパクですが、実は発症する25年前から溜まり始めると言われているんです。

発症年齢の平均は41歳〜61歳なので、20代のうちから予防をしておく事がいいという事になります。

でも、今からやっても遅いわけではないんです。

蓄積されているゴミタンパクを排出させればいいので、これから排出しやすい体にすればいいという事になります。

日々暮らしていると、皆さんのも「物忘れ」を感じる事があると思います。

よく、ご自身で「忘れっぽくて」と言ったり、他の人から「最近、忘れっぽいわね」と言われたりする事があると思うんですけど、

私もですね、この間、何か物を取にいこうと思って椅子から立ち上がったんです。

物の場所に向かって歩いていたんですが、途中で何をしにきたか分からなくなってしまって椅子に戻ったという事が多々あります。

このように、年齢を重ねていくとともに、記憶力もだんだん悪くなっていきますので、誰でも「物忘れ」を感じる事があるんです。

ただ、覚えておいてもらいたいのが。「認知症」と「物忘れ」との違いががありるということです。

その違いが、この表に出ていますが、

認知症は進行性の病気なので、記憶力だけでなく判断力も出来なくなっていきます。そのため生活に支障がでるんですね。

ヒントがあっても思い出せないのが認知症です。

例えば、表にもあるように

突然急に怒り出したり、逆に塞ぎ込んだりと感情の起伏が激しくなる。

今まで熱心に打ち込んでいた趣味に対して、急に無関心になる。

外出しても自宅の場所が思い出せなくなり帰宅できなくなったりなど、日付、時間、場所などが認知できなくなる症状で「見当識障害」と呼ばれるものがでます。

また、「人と会う約束」や「病院の予約」など丸ごと忘れてしまうため、指摘をしても「約束なんてしていない」となる事もあります。

表にある認知症チェックリスト 見たことがあるという方いらっしゃいますか?

これですね、東京都福祉保健局という所が出しているチェックリストなんですが、世田谷区のホームぺージでも掲載されていたり、スマートフォンでアプリをダウンロードしてチェック診断できるように掲載されています。

ちなみに、これ私やってみました。

一番良い結果が10点なんですが、私12点でした。

20点以上の場合は相談となっていて、認知症は進行するので、こまめにやって経過を見ていくといいかもしれません。

是非、やってみてください。

では、認知症を予防するにはどうしたら良いか気になりますよね?

人の脳は、体重の2%ほどしかないんです。

ただ、エネルギーの消費量は全体の20%にも上ると言われていて、大量の酸素とエネルギーが必要となります。

大量の酸素を消費すると同時に活性酸素も発生しやすく、その活性酸素によって脳が酸化すると細胞や血管が老化し、先ほどのたんぱく質も溜まりやすい状態となるために認知症になりやすくなってしまいます。

食事に関してですが、注目したいのがビタミン類で、特に緑黄色野菜から摂取することが望ましいと言われています

緑黄色野菜とは、ご存知の通り色のついた野菜のことで、一般的にはカロテンなどの色素を多く含んでいます。

厚生労働省でも緑黄色野菜の基準が設けられており、原則として「100gあたりカロテンが600μg以上」とされています。

カロテンが多い野菜には、総じてビタミン類が多く含まれているので、認知症の予防のために積極的に摂ることをオススメします。

野菜の次に必要なので魚類ですが、

魚に含まれる成分(DHAやEPA)がゴミタンパクが溜まるのを防ぐ役割があり、血の塊ができたり動脈硬化になったりするのを予防する働きがあるのです。

特にイワシやサンマ、サバといった青魚に豊富に含まれています。

800人の高齢者を対象に脳を検査した際、魚を積極的に摂取していた人は、そうでない人よりも脳の萎縮の度合いが小さかったそうです。

つまりは認知機能が正常に働いているという結果が出ているんですね。

あとはカルシウムや乳製品の摂取も効果的だと考えられています。

どうしても青魚が苦手という方はカルシウムや乳製品も積極的に取るといいかもしれません。

他、生活習慣病の食生活で言われている大豆も大切ですが、これは高血圧や動脈硬化、高脂血症の予防に必要です。

ただ、これらの生活習慣病からなる疾患自体が認知症になる一因とも言われているため、バランスよく摂取する事が大切ですね。

認知症予防には適度な運動も必要です。

高齢になると外出頻度が減っていきますよね。

イラストの様に1日中、座ってテレビを見たりゴロゴロしたりしている事が増えてませんか?

運動は全身の血流を改善し、脳の細胞を活性化する効果が期待できるんです。

運動といっても「息がほとんど弾まない程度」とされています。

まずは週に3回、1日30分以上歩くことから始めてみましょう。

できれば、1日1回がいいのですが、いきなりは難しいですよね。

大切なのは無理なく運動の習慣を継続することです。

例えば「買い物をするとき、近所ではなくちょっと遠い店まで歩く」

「バス停を1つ手前で降りて歩く」

「エスカレーターやエレベーターを使わず、階段で昇り降りする」

といったちょっとした工夫から、歩行習慣を取り入れていくのがいいと思います。