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2021-01-09

世田谷区上野毛で1番多い服薬管理の事例について~担当医師と訪問看護師との連携~

世田谷区上野毛の訪問看護で一番多いのが、この【服薬管理】になります。

一般の方からすると、
お薬をキチンと飲めているか看護師が訪問して定期的に見に行く。

このために、わざわざ看護師がご自宅に定期的に訪問するんですか?というイメージがあります。

薬を飲めているかの確認であれば、同居の家族がやるから大丈夫。

本人が薬の管理が疎かになってきていても、大して問題ないでしょう。

訪問看護を行う側としても、胃瘻増設後の皮膚のメンテナンスや、尿道バルーンカテーテル交換などが必要な方に対して、医療的な処置を行うことに対しては、訪問看護をしている実感を感じます。

しかし、年齢とともにご自身の身の回りの管理が充分でなくなってくることが多く、今まで何十年も飲んできたお薬でも、飲み忘れたり沢山飲んでしまったりする場合が多くあります。

服薬管理が、ご本人にとってどれだけメリットがあったか、具体的な事例を紹介

(1)糖尿病で朝・昼・夕の内服に加え、食前にインスリン注射を行っていた方

外来では薬を増やしても血糖値が下がらないことに、異変を感じていました。会話でも話の辻褄が合わないこともあり、一度自宅の状況を見てきて欲しいと依頼がありました。自宅にお伺いすると、薬はシートから出して、瓶に入れて、まるでお菓子でも食べるように鷲掴みに飲んでいる状態で、インスリンの注射も袋を開けていない状態で転がっていました。よく今まで低血糖にならなかったと唖然としました。50代、60代の働き盛りの頃は、血糖値を厳重に管理するために、1日3回毎食後、食前にもインスリン注射は必要かもしれません。しかし、このような状態では厳重に管理するために分けて内服・注射を行うより、1日1回で長く効く薬を確実に飲んでもらう方が有用です。注射も週1回の注射薬に変更し、訪問看護の時に合わせて実施してもらうことにしました。

(2)便秘薬に固執し、睡眠薬に依存してしまった方

元々、几帳面な性格で、昔から飲んでいる薬を減らすことには抵抗感があり、また別の薬を追加や変更することにも強いこだわりがある。
何十年も同じ薬を飲んでいるので、自分の体のことは自分が一番わかっているからと、1日3回の薬を1回で同じ効果の薬に変更することを提案しても受け入れてもらえない。

年齢と伴に、排便コントロールに対するこだわりが強くなっていく方、割と多くいらっしゃいます。
もともとは、昨日は便が出なかった、と仰っていたのが、徐々に便の量が多い、少ない、固い、柔らかい、という話になり、自分で細かく薬を調整しています。

また、睡眠が取れないということを強く思ってしまう傾向があります。
睡眠薬を飲みすぎてしまう問題があると数が合わなくなってきていたので、数が合わなくなってきていること自体が訪問看護が入っていて判明します。
本人からは、そのような情報はいってくれないで、1回ごとに袋に入れて一包化で処方して、更に一包の袋に日付と朝・昼・夕・眠前と記入してお渡ししました。
それからは薬の過剰摂取はだいぶ少なくなりました。

保谷大泉学園の訪問看護では、医療従事者がお客様の状態はもちろんお客様の社会背景に応じて臨機応変に対応しています。医療を提供する上で医療従事者の押し付けにならないよう、患者さまやご家族の気持ちに寄り添わせていただいております。在宅医療では医療の重要性を理解できても、それが生活環境によっては実現が難しい場面が多々あります。それに対して、"できないから仕方ない"と諦めるのではなく、可能な限り医療従事者とともに関わらせていただきます。

具体例:カンファレンスの抜粋

【症例1】

年齢:80歳後半

性別:男性

主病名:不眠症

経過:外来受診し、眠剤を定期処方しているが夜間覚醒してしまったり、規定容量以上に内服してしまうため次回処方予定まで残数が足りなくなってしまう様子。訪問看護導入し在宅での服薬管理を行っているが、医療従事者の目の届かないところで自己判断による過剰内服が認められ、服薬管理が難航している。

ーーーー以下、カンファレンス内容ーーーー

≪看護師≫

朝分の内服や便秘時の薬に関してはしっかりと管理できていますが、眠剤がどうも自己判断で管理できません。
眠れない事への不安がある事、眠剤への依存、加齢による認知機能低下に加え、眠剤の過剰摂取の影響により更に管理困難になっていると考えます。訪問看護でも2週に1回の訪問ではサポートが厳しくなっており週1回の訪問に変更するよう打診していました。また、処方薬は訪問看護師がお預かりさせて頂き、看護師が訪問時に次回の訪問分までお渡しする事も検討しています。
(本人が自己管理していると、指導しても結局は持っている分だけ多く飲んでしまう。認知機能低下でわからなくなってしまう。少しでも持っている分が少なければ過剰が防げるのではないか)
ただ、頓用が手元にない事で更に不安を仰いでしまう可能性もあります。
そこで先生に相談なのですが、現在は頓用もゾルピデムを使用していますが、次回から頓用をプラセボへ変更する事は可能でしょうか?
プラセボであれば多く飲んでしまっても今よりは害はなく、自己管理していただいても大丈夫なように思います。

≪医師≫

医学的に問題ないか、という観点だけであれば問題ないと思います。75歳以上の熟眠時間の平均は4.5時間というデータもあります。他にも安静にしているのと寝ているのでは体の疲労回復効果は変わらないというデータもあります。仰るように、問題は本人の不安や拘りです。ア〇ゾ〇で、薬っぽくみせたシート入りのプラセボ錠剤が売っています。ただ、処方箋に書いて薬局で出してくれることはないですし、奥様が上記を理解して、訪問看護で仕入れたプラセボ錠を購入してくれるのか。購入したものを薬局が半分にして包装してくれるのか。等々の問題があります。が、しかし問題はありますがチャレンジしてみる価値はあると思います。簡単なのは、屯用をロゼレム半錠に切り替えることです。ロゼレムは海外では睡眠のサプリとして販売しています。飲んだから眠くなることはないと思います。本人は「こっちは効かない」などはじめは言いそうですが。

≪看護師>

ありがとうございます。

ダメもとで調剤薬局の薬剤師さんにお伺いしてみます。
奥様もご本人の認知機能低下に関して理解が薄いので、協力を得る事は難しいかと思います。
もしプラセボが難しい場合はロゼレムで対応できればと思いますが、先生の言う通り「変わったから」となりそうです。
その点も踏まえで薬剤師さんに良い方法がないかお伺いしてみます。